和歌山大学で寄附講座を開講
2025.12.24
熊野古道「紀伊路」の魅力を「旋律デザイン」で研究・発信
このたび、株式会社日本ユニスト(大阪市西区、代表取締役:今村亙忠)は昨年に引き続き、和歌山大学(所在地:和歌山市栄谷930、学長:本山貢)で寄附講座を開講したことをお知らせします。

【開講の背景と目的】
日本ユニストでは世界遺産・熊野古道沿いの宿「SEN.RETREAT」や「SEN.HAVEN」の運営と並行して、大阪から熊野本宮大社へ至る古の道「熊野古道・紀伊路」の宿場町を現代に再現し、先人と同じ行程を約10日間かけて歩き通すツアーの実現を目指すことで、新たな体験価値の創出に取り組んでいます。
1千年以上の歴史を持つ紀伊路を現代に再現するためには、正確なエビデンス(裏付け)が必要ですが、古道沿いに点在する熊野の神を祀った社「熊野九十九王子」などについて調査した学術研究や文献は少なく、今後のサービス開発の参考となりうる情報が不足してるのが現状です。
そこで、熊野古道に深い知見を持つ和歌山大学に協力を依頼し、2021年より「熊野古道の伝統と文化を1500年先まで継承する地域経済の実現」をテーマとした共同研究が始まりました。現在は、文化・宗教・芸能など多角的な観点から熊野古道の実態を明らかにし、未来へ継承できる新たな観光資源を生み出すための調査・研究が進められています。
本寄付講座は、その研究成果をさらに深化させ、地域と学術が連携しながら新たな価値創出を目指す取り組みです。
◆講義内容
講義は、全学年・全学部を対象とした一般教養科目として開講します。
これまでの共同研究では、産学連携のプロジェクトメンバーと、さまざまな分野の専門家が実際に熊野古道・紀伊路を歩き、古代巡礼者の気持ちを追体験しながら、五感へのアプローチを探る実地調査を行ってきました。各分野の専門家をゲストスピーカーとして招きます。「熊野参詣道の旋律デザイン」をテーマに、専門家それぞれの視点から見た『紀伊路』について講義を行います。
【日程と講師】
| 日付 | 内容 | 講師 |
| 第1回(2025年 12月5日) | ガイダンス | 吉村旭輝氏(和歌山大学准教授) 山口和泰(日本ユニスト取締役) |
| 第2回 (12月12日) | 熊野参詣道の旋律デザイン① | 佐々木淳氏(旋律デザイン研究所代表) |
| 第3回 (12月19日) | 熊野参詣道と観光 〜サステナブルツーリズム〜 | 加藤久美氏(和歌山大学教授) |
| 第4回 (12月26日) | 熊野参詣道の旋律デザイン② | 前田暁彦氏(彫刻家) |
| 第5回(2026年 1月16日) | 熊野参詣道の旋律デザイン③ | GOTO AKI氏(写真家・日本大学芸術学部准教授) |
| 第6回 (1月23日) | 熊野参詣道の旋律デザイン④ | 高橋英明氏(音楽家) |
| 第7回 (1月30日) | 熊野参詣道の旋律デザイン⑤ | 石田陽介氏(ソムリエ/唎酒師) |
| 第8回 (2月6日) | 熊野参詣道の食文化 | 鈴木裕範氏(和歌山大学 客員教授) |
【熊野古道 紀伊路について】
紀伊路は、大阪や京都の人々が熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)を目指して歩いた、熊野詣における参詣道の一つです。畿内と熊野を結ぶメインルートを担い、出発地点である大阪市の天満橋から、ゴールの和歌山県田辺市までの約250kmの道のりは、徒歩で10日余りかかります。
熊野三山にいきなり詣でても熊野の神髄を味わうことはできません。古の人と同様に、一歩一歩、歩いて行くという行為が大切だといわれており、険しい峠を越え、紀州の明るい海を見ることができる紀伊路は、歩く人々に感動を与えるルートです。
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