大阪から熊野を結ぶ「紀伊路」を現代に蘇らせるプロジェクト「紀伊路SCAPE」のWebサイトを開設

株式会社ユニスト・ホールディングスは4月8日、大阪から熊野詣へ向かう人々で賑わった参詣道「紀伊路」を現代に復活させるプロジェクト「紀伊路SCAPE」のWebサイトを開設しました。2022年に発足した本プロジェクトはこれまで基礎研究を中心に行ってきましたが、その期間を終え、2024年4月より商品開発のフェーズへと入ります。
これに伴い、Webサイトを開設するとともに、ユニスト・ホールディングス社内に「紀伊路SCAPE設立準備室」を新たに立ち上げることとなりました。

紀伊路とは

紀伊路は、大阪や京都の人々が熊野三山(熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社)を目指して歩いた、かつての街道です。出発地点である大阪市の天満橋から、ゴールの和歌山県田辺市までの約250kmの道のりは、徒歩で10日あまりかかります。
かつては皇族から庶民まで多くの人々が紀伊路を経て熊野古道を歩きましたが、現在は知名度が低く、歩き通す人もほとんどいません。熊野古道は「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されていますが、紀伊路は対象外となっています。

紀伊路SCAPEについて

この忘れ去られた道を現代に復活させ、新たな観光資源として活用しようとするプロジェクトが「紀伊路SCAPE」です。旧宿場町に宿泊施設をつくり、かつての旅人がお腹を満たした食事を再現するほか、約10日間の踏破に必要なボディケアなど、現地での体験を充実させるサービスを開発します。
今後はツアー造成にあたり、紀伊路を歩き通すフィールドワークでこれまで得た調査結果をもとに、宿泊施設の整備や食事の考案などの商品開発を進めてまいります。特に、宿泊施設が現状存在していない地域を中心に宿を開発し、地域の事業者や飲食店との提携も行う予定です。

最終的には、紀伊路の行程を4つの大きな章(序・守・破・離)と見立て、日々の蓄積疲労を加味・検証したモデルコースを構築します。ありきたりな消費としての観光が曲がり角を迎える中、昔は確かに存在したものの、現代には失われてしまった旅のあり方を提示します。
2026年度には、本プロジェクトを推進する企業を新たに立ち上げる計画です。その前段階の業務を行う部署として、この度「紀伊路SCAPE設立準備室」を発足させることとなりました。紀伊路SCAPEの公式サイトでは、紀伊路を調査した成果やプロジェクトの進捗などを発信してまいります。